新着情報2017年

【実物実習】高岡市指定文化財 「五福町神明社本殿」保存修理完了

建築職藝研究科(建築コース)の学生が、取り組んでいた高岡市指定文化財「五福町神明社本殿」の保存修理が完了しました。
本殿は、加賀藩二代目藩主前田利長公の御廟にあった鎮守堂の遺構で、明治元年に本殿を五福神明社に、拝殿は大手町神明社に分割して移築されています。
建物は、全体を禅宗様で統一し、装飾性豊かな点など江戸時代初期の優れた建築で、間口三間、奥行き二間の入母屋造り平入の桟瓦葺でした。今回の修復では、屋根勾配を緩くして建物中心から反り上がる真反りの、正面と側面の勾配が違う振れ隅の屋根形状にし、こけら葺風ガルバリウム鋼板葺に復原整備しました。
実習では、縁廻り、背面下屋の解体、軸部(來迎柱、虹梁等)等の解体を実施。解体後、破損の著しい縁廻りや不陸を生じている化粧軒、屋根の修復等を行いました。

<解体実習>
來迎柱、虹梁等解体 縁高欄外し
野地板解体
<保存修理実習>
縁廻材  調査・補修・加工 縁葛補修

桔木取替え新調・調整 野隅木・母屋組立て
母屋束加工 野垂木取付
野垂木取付 縁腐朽部補修・組立て
<竣工>
竣工(正面) 竣工(側面)
<修理前>
修理前(正面) 修理前(側面)