学院生活職藝の四季

第13回 人と土の日2011 - 春

11/06/09 UP

去る5月19日、学生と教職員全員で土や自然と触れ合い、人の原点について考える行事、「人と土の日」が開催されました。今回は、富山市スローライフ市民農園花壇の土壌改良ボランティアを行い、午後は、食育をテーマとした講演会と、開ヶ丘キャンパスの交流学習施設の見学会を行いました。市民農園花壇は、3年前の開設当初から当学院の園藝・ガーデニングコースの渡邉美保子教授が市民の皆さんと年間を通して花壇づくりを行っている農道沿いの約100メートルの花壇です。今回は、昨年秋に植栽したチューリップの球根の堀上と一年草のビオラの移植作業を行ったあと、有機質中心の土壌改良を手作業で行いました。お昼から、「一汁一飯」と題し、自然農法を実践されている尾崎明美氏をお招きして、自然農法によるお米と味噌汁をいただきながら食について学びました。

園藝・ガーデニングコースの渡邉先生より作業手順について説明を受ける学生。球根の根の周りの土は微生物活性が高く一番良い土なのできれいに落とすことや、ビオラは移植するため、なるべく根の周りの土を落とさず移植場所へ移動することなどが伝えられました。

7班に分かれて作業を進めました。班長は造園コースの2年生が班ごとに集まり事前ミーティングを行い、必要な道具類の段取りを行いました。班長から通路は、草刈鎌で除草、花壇は手取り除草により根の土をきれいに落とすことが伝えられました。

チューリップの球根を痛めないように深く掘りあげる学生たち。緑の葉は枯れるまで球根に栄養分を送っているためそのままつけて、風通しの良い日陰で養生します。葉が枯れてから球根だけにして秋の植え付けまで保存します。

ビオラを移植中。昨年の11月初めにチューリップの球根の間に植えられたビオラの苗は、寒さに強い一年草で、雪の下で冬を過ごしました。雪解けから5月中旬ぐらいまではお花を長く楽しめる一年草です。そろそろお花も終わりかけなのですが、まだ生き生きしているものがありましたので移植を試みました

掘りあげた後は、完熟牛糞堆肥、モミガラクン炭、コンブペレット、ニームペレットをまいて耕しました。土壌の有効微生物の菌根菌の住処となる炭、餌となる堆肥やコンブをすきこみます。ニームは、害虫を寄せ付けない窒素肥料です。

土壌改良完了。この花壇では、有機無農薬で健康な花を育てるために、植えつける1ヶ月以上前に土壌改良を行います。一ヶ月の間地面の下では、たくさんの有効微生物たちがゆっくりと有機質を分解してくれます。秋まで楽しめる花苗を植えつけるのは6月中旬です。2列目は、きれいに移植されたビオラ。

尾崎明美先生から食育講座を受講中の学生。講座では、自然農法でつくるお米や野菜の話、日本人の古来からの穀物とのかかわりの大切さ、現代の食生活がどのように変化してきたのかなどわかりやすい説明と事例をあげて紹介していただきました。

講義のあと、自然農法で作られた赤米入りのご飯とお野菜たっぷりのお味噌汁とほうじ茶をいただきました。当日は、朝から尾崎先生とそのお仲間のみなさんにご飯やお味噌汁を作る準備をしていただきました。おいしいご飯とお野菜の甘みわかるお味噌汁でした。感謝の気持ちをこめていただきました。ありがとうございました。

学生のレポートより
●午前: 花壇の土作りと除草

1: 「・・・次に草むしりをした。鎌をあまり使ったことがなく、最初は上手にできなかったが、やっているとコツをつかんでできるようになった。コツとは切る草を持つことです。そうすれば切りたい草が動かないのでとても切りやすかった。」
1年環境T君
 
2: 「・・・土をさわると虫がたくさんでてきて、さらに草や花の根が土の深くまで張っていて、今、命にふれているんだと実感しました。今日はとても良い経験ができて素晴らしい日になりました。」
1年建築Kさん
 
3: 「・・・自分はあまり人の上に立って指示をするというのが苦手で、今回は班長という立場でやっていたので少し不安がありましたが、うまく指示を出すことができ作業の進行具合も特に問題なくできてよかったです。」
2年環境S君
 

●午後: 「一汁一飯」講演と試食

1: 「・・この春から一人暮らしをして食事について考えることが多くなりました。自分はできるだけレトルトなどを食べないように心がけていますがどうしても忙しくてちゃんとしたご飯をたべることが減ってきました。・・・(この講演で)日本食のすばらしさを知りました。これからの生活を考え直させられる講演でした。・・・」
1年建築S君
 
2: 「・・・今回食べたご飯はとてもおいしくいただきました。穀物と野菜をメインとした食事が人の体にはとても良いということを知り、こういう食生活がおくれたら理想だなぁとおもいました。・・・」
2年環境S君
 
3: 「今回いただいた赤米とみそ汁はとても美味だった。素材も富山で取れたもので地域の物を食べることは地産地消になっていいし、本来、古の人たちはそうしてきたはずだ。」
2年建築K君

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